原子力システム研究開発事業

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平成19年度採択課題事後評価の結果

原子力システム研究開発事業 −基礎研究開発分野−
若手対象型 事後評価総合所見

研究開発課題名:超音波による3次元流速ベクトル分布計測システムの開発
代表研究者(研究機関名):大林寛生(独立行政法人日本原子力研究開発機構)
研究期間及び予算額:平成19年度〜平成21年度(3年計画)52,611 千円
項目 要約
1.概要及び個別評価 【概要】
液体金属冷却材の実験的熱流動評価手法の確立および流路配管等において発生するエロージョン評価・防止技術確立のため、あらゆる液体金属流動場に適用可能な3次元流速ベクトル分布計測技術の開発を行う。

【目標の立て方】
  • 適用目的、研究目標は概ね明確であり、また、システムの試作にとどまらず、実際の流動場への適用を見据えており、概ね適切であると考える。
【研究開発計画】
  • もう少し早めに試験に取り掛かって、時間をかけて十分なデータを取得できる実施計画を作成したほうがよりよかったと感じるが、計画は概ね適切であったと考える。
【目標達成度】
  • 濡れ性の問題、トレーサの供給方法、高温度条件への対応等今後の課題が残されたが、計測システムが出来上がり、計測データも得られており、目標は概ね達成されていると考える。
【研究開発成果】
  • 計画に対して、概ね成果が得られている。液体金属流を計測したことは高く評価できるものの、3次元速度計測システムとして重要な誤差評価が十分になされていないと見受けられる。誤差評価は計測器の開発では最も重要な観点となるので、十分に評価をされることを奨める。
【研究開発の波及効果】
  • 食品・金属・ガラスの製造工程等、適用範囲は広いと考える。ただし、プラントへの実際の適用までには高温環境への対応やトレーサの選定等、解決すべき課題が残っているので、今後の研究開発に期待したい。
2.総合評価
 評価:B
  • 開発した計測システムを液体金属流動ループへ適用するチャレンジングな研究テーマであったが、計測システムが出来上がり、計測データも得られており、想定された業績が挙げられていると評価できる。
  • 測定器の設計手法として、レシーバの角度とS/N比と精度保証の関係をまず要素試験やシミュレーションで評価し、その上で製品に反映することが重要となる。今回の経験を生かして、良い設計ノウハウを蓄積してもらいたい。
S)特に優れた業績が挙げられている。
A)優れた業績が挙げられている。
B)想定された業績が挙げられている。
C)想定された業績が一部挙げられていない。
D)業績がほとんど挙げられていない。
3.その他
  • 計測システム開発では、不確かさ解析を行い、誤差要因を分析し評価することが重要となるので、是非、不確かさ解析を行うことを奨める。
    また、成果を論文にまとめ、査読付きの学術雑誌に投稿されることを期待する。

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