原子力システム研究開発事業

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平成17〜19年度採択課題事後評価の結果

原子力システム研究開発事業 −特別推進分野−
事後評価総合所見

評価の概略
研究開発課題名(研究機関名):
過渡時の自然循環による除熱特性解析手法の開発
(三菱FBRシステムズ株式会社)
研究期間及び予算額:平成18年度〜平成21年度(4年計画) 903,274千円
項目 要約
1.研究開発の概要  大型炉では崩壊熱除去運転のために、炉上部プレナムに崩壊熱除去(DRACS)用熱交換器(DHX)が組み込まれ、ポンプ組込型中間熱交換器(IHX)の入口プレナム内には崩壊熱除去(PRACS)用熱交換器(PHX)が組み込まれている。また、1次系は2ループで、大口径かつ短尺の配管が用いられている。このような体系では、自然循環時に局所的な温度成層や偏流等が発生しやすく、構造物に厳しい温度分布や温度振動が加わる可能性がある。また、1次系ループ間での逆位相の流動振動やDRACSとPRACS間での熱的な干渉等も自然循環時の課題として考えられる。さらに、外部電源が喪失する全ての過渡事象に自然循環崩壊熱除去が適用されることになるため、十分に過渡現象を評価して、その安全性や信頼性を見極めておく必要がある。
 本研究では、大型炉の1次系の挙動を再現可能なシステム水試験と炉心から空気冷却器に至る一連の熱輸送系を模擬したナトリウム試験を実施することによって、上述した熱流動上の課題を摘出し、解決を図る。これに基づいて大型炉の自然循環除熱挙動を予測評価できる解析評価技術を開発する。具体的には、従来の1次元評価手法の改良に加え、原子炉容器及び1次系各部で発生する温度成層化や偏流現象を評価できる3次元の評価手法を開発する。また、安全審査で重要となる炉心高温点(ホットスポット)の評価手法を開発する。
2.総合評価 A  これまで明確ではなかった熱流動上の課題をシステム水試験、ナトリウム試験と高温点評価を含めた自然循環解析によって摘出し、その対応策を大型炉設計に提案した。いずれも高いレベルで目標を達成し、優れた成果を出したものと評価できる。
 大型炉の設計においては、構造物の熱膨張、熱疲労の評価が求められることから解析コードを使った評価が重要となり、本研究成果の活用が期待できる。
S)優れた成果を挙げ、実用化に向けた研究開発の進展に貢献した。
A)相応の成果を挙げ、実用化に向けた研究開発に反映した。
B)相応の成果を挙げているが、一部の成果は得られておらず、その合理的な理由が説明されていない。
C)一部についてのみ相応の成果を挙げている。
D)成果の多くが得られていない。

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