原子力システム研究開発事業

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平成17〜19年度採択課題事後評価の結果

原子力システム研究開発事業 −基盤研究開発分野−
革新技術創出型 事後評価総合所見

評価の概略
研究開発課題名(研究機関名):
低除染TRU燃料の非破壊・遠隔分析技術開発
(独立行政法人日本原子力研究開発機構)
研究期間及び予算額:平成17年度〜平成21年度(5年計画) 428,698千円
項目 要約
1.研究開発の概要  煩雑で時間のかかる従来の低除染超ウラン元素燃料中のマイナーアクチノイド(MA)及び核分裂生成物(FP)の組成成分分析方法に代わり、非破壊的かつ迅速に高精度の分析が行えるレーザー利用直接遠隔分析法の開発を行う。
 本技術開発では、固体燃料にレーザーを照射して試料表面にプラズマを生成させ、発生する蛍光を分光することによって元素を分析するレーザー励起ブレークダウン分光分析法と、このプラズマ中に共鳴励起用レーザー光を入射し着目した元素の吸収・蛍光を測定することにより同位体比を測定する、レー ザー共鳴蛍光・吸収分光測定等を組み合わせ、グローブボックスから離れた別エリアからレーザー制御、分光分析の遠隔操作ができる分光分析システム技術を確立するとともに、模擬試料を用いた基礎的試験データを統計処理することにより高精度の同位体組成比計測法を確立し、ウラン-235について5%程度までの濃縮度分析を可能とする同位体組成比分析技術の確立を目指す。さらに、ウランを試料母材としてppmオーダーの不純物を含む模擬ターゲットの分析を行い、燃料中プルトニウム、MAが完全に同定できる高感度分光分析技術を確立する。これにより、ウラン、プルトニウムに含まれる5ppmオーダーの微量MAの非破壊的迅速分析法及びそのための分析機器の実用化を目指す。
2.総合評価 A
  • レーザーブレークダウン発光法において励起準位を考慮した母材スペクトルとの強度比較、デコンボリューション法によるスペクトル解析手法の確立等により、不純物元素の分析感度70ppm、模擬MAの分析感度500ppmを実現するとともに、レーザーアブレーション共鳴分析法により高分解能な同位体スペクトル観測を確立しウラン同位体分析で500ppm〜80%までの分析直線性を有する測定を実現し、併せて測定時間も1時間以内の目処が得られ、目標を着実に達成した。
  • 発光基礎特性、最適条件の設定など基盤技術として優れた成果を挙げた。
  • 遠隔操作できる実用技術としての見通しのある成果が得られ、今後の展開が大いに期待出来る。
S)極めて優れた成果を挙げ、今後の展開が大いに期待できる。
A)優れた成果を挙げ、今後の展開が期待できる。
B)成果の一部は得られてないが、他は相応の成果を挙げている。
C)成果の多くが得られておらず、一部についてのみ相応の成果を挙げている。
D)成果がほとんど挙げられていない。

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