原子力システム研究開発事業 −基盤研究開発分野−
革新技術創出型 事後評価総合所見
評価の概略 | |
研究開発課題名(研究機関名): 軽水冷却スーパー高速炉に関する研究開発 (国立大学法人東京大学)
研究期間及び予算額:平成17年度〜平成21年度(5年計画) 1,577,388千円 |
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項目 | 要約 |
1.研究開発の概要 |
高速炉サイクル実用化の最大の課題は経済性にある。超臨界圧水で冷却する高速炉は日本発の概念で第4 世代原子炉にも選ばれている。システムが単純でコンパクト、高熱効率であるなど、従来の原子炉には無い特徴がある。さらに高出力密度の高速炉の能力を最大限に発揮させることができる。 軽水炉と火力発電技術、材料技術を基に優れた経済性と安全性を持つ高速炉の実現を目指す。そのために超臨界圧水を冷却に用いる貫流型の軽水冷却スーパー高速炉(スーパー高速炉)の概念とその主要技術である伝熱流動と高速炉用材料に関する研究開発を行う。これにより 軽水炉利用の長期化に伴う使用済み燃料とウラン資源の有効利用と環境負荷低減、日本のエネルギーセキュリティの向上に寄与する。 |
2.総合評価 |
超臨界圧軽水炉の提唱者の下、今や世界的注目を浴びている同炉型の研究開発において世界をリードする成果を上げており、実用化に向けた今後の進展を大いに期待したい。 また、国内外の論文誌、国際会議、学会などで極めて多くの成果発表が行われ、世界のこの分野の研究開発をリードしたことや、この活動に伴い多くの若手人材育成にも寄与したことも評価できる。 本格的実用化プロジェクトに発展させるにあたっては、高速炉としたことによる資源有効利用性や環境負荷低減性の定量的評価をしておいてもらいたい。 超臨界水冷却炉は第4世代原子炉国際フォーラムの技術評価にて候補概念のひとつとして取り上げられているので、今後の展開を議論・判断するに際しては、中国の実験炉計画など、国際的動向に留意して進めてもらいたい。 |
S)極めて優れた成果を挙げ、今後の展開が大いに期待できる。 A)優れた成果を挙げ、今後の展開が期待できる。 B)成果の一部は得られてないが、他は相応の成果を挙げている。 C)成果の多くが得られておらず、一部についてのみ相応の成果を挙げている。 D)成果がほとんど挙げられていない。 |