III.募集、審査、研究管理、評価の実施
本事業では、競争的資金の効率的な活用を図り、優れた成果を生み出していくため、プログラムディレクター(以下「PD」という。)及びプログラムオフィサー(以下「PO」という。)を配置し、PD及びPOを中心に、審査、研究管理、評価を実施しています。
1.事業の要件
本事業においては、研究開発課題を実施するために必要な施設、人員、技術等を備えた研究代表者の所属する機関(受託者)が文部科学省との間で単年度ごとに委託契約を締結し、受託者が文部科学省に代わって研究開発を実施することになります。
(1)募集区分、研究開発期間及び研究開発経費等
革新技術創出型研究開発
・ 研究開発期間:原則3年
・ 研究開発に要する経費:1件当たり、総額3億円程度(間接経費含む)
ただし、初年度は8千万円程度とするが、既に要素技術の開発が終了し、実用化に向けた研究開発のために大規模な試験が必要な場合等には、8千万円を超えることも可能とするが、応募時には説明資料を添付のこと。
上記の研究開発に要する経費は、研究開発に係る直接経費と直接経費の30%である間接経費で構成されます。
(2)募集及び採択に関する制限
対象外となる提案について
以下に示す研究開発課題の提案は募集の対象外となります。
・ 単に既成の設備備品の購入を目的とする提案
・ 他の経費で措置されるのがふさわしい設備備品等の調達に必要な経費を、本事業の直接経費により賄うことを想定している提案
重複提案の制限・過度の集中の排除について
研究代表者が以下に該当する場合は、審査の対象から除外され、採択の決定が取り消されますので注意して下さい。
・ 研究代表者について、同一の研究開発課題名または内容で、既に国または独立行政法人の競争的資金制度等(科学研究費補助金、戦略的創造研究推進事業等、各府省の競争的研究資金制度等)による助成を受けている場合、または採択が決定している場合。
なお、申請段階(採択が決定していない段階)において他の競争的資金制度等へ提案することを制限するものではありませんが、その採否の結果については、判明次第、JST原子力業務室に報告して下さい。他制度における採択結果によっては、提案課題が審査の対象から除外されること等もありますので留意して下さい。また、他制度の採否について虚偽の申告があった場合、採択を取り消すことがあります。
研究代表者以外の提案課題に参画する研究開発の実施者が以下に該当する場合は、当該研究開発の実施者が実施予定の研究等については、本事業では実施できなくなる場合がありますので注意して下さい。
・ 研究代表者以外の研究開発の実施者について、同一の研究開発課題名または内容で、既に国または独立行政法人の競争的資金制度等による助成を受けている場合、または採択が決定している場合。
なお、申請段階(採択が決定していない段階)において他の競争的資金制度等へ提案することを制限するものではありませんが、その採否の結果については、判明次第、JST原子力業務室に報告して下さい。他制度における採択結果によっては、提案課題が審査の対象から除外されること等もありますので留意して下さい。また、他制度の採否について虚偽の申告があった場合、採択を取り消すことがあります。
既に国または独立行政法人の競争的資金制度等を活用して実施している研究等とは内容が異なる提案課題の研究代表者または研究開発の実施者となる場合は、上記の重複提案の制限の対象とはなりませんが、審査においてエフォート(様式6(30頁参照))等を考慮することとなりますので、留意して下さい。
このため、提案書類の「国による他の事業等での実施等(様式10(34頁参照))」については、記載漏れ等がないよう十分確認して下さい。加えて、提案書類の提出後に、他制度に申請を行った場合、或いは、他制度における採否の結果が判明した場合等、記載内容に変更が生じた場合は、速やかにJST原子力業務室に報告して下さい。他制度の採否について虚偽の報告があった場合、採択を取り消すことがあります。
なお、提案内容のうち、不合理な重複または過度の集中の排除のための調査に必要な情報を、国または独立行政法人の競争的資金制度等の担当者に提供することがありますので、ご了承願います。また、他の競争的資金制度等(独立行政法人の事業を含む。)において上記と同趣旨の重複申請等に係る調査が行われる場合、必要に応じて、提案内容のうち必要な情報を、当該制度の担当者に提供することもありますので、ご了承願います。
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2.応募対象者の要件
(1)応募対象者
自ら研究開発を実施する以下に示す国内の大学、研究開発機関、企業等に所属する職員、またはこれらの機関に属する職員で構成するチーム(以下「研究チーム」という。)とします。
・ 大学及び大学共同利用機関法人
・ 独立行政法人、特殊法人及び認可法人
・ 民法第三十四条により設立された法人
・ 民間企業(法人格を有する者)
・ 特定非営利活動促進法第十条第一項の規定により認証を受けた特定非営利活動法人
なお、応募から研究開発終了に至るまでの間に資格の喪失、長期外国出張その他の理由により、研究開発の実施者としての責任を果たせなくなることが見込まれる者は、研究開発の実施者となることを避けて下さい。また、委託契約の履行能力を確認するため、審査時に、機関の営む主な事業内容、資産及び負債等財務に関する資料等の提出を求めることがあります。
(2)研究代表者の指定
研究開発課題における代表者(以下「研究代表者」という。)を指定して下さい。
本事業においては、一人の研究代表者が複数の研究開発課題の研究代表者となって、同時に研究開発を実施することはできません。ただし、研究代表者が他の研究開発課題における研究チーム内において研究開発の実施者となることは可能です。
(3)事務連絡担当者の指定
JSTとの事務連絡を速やかに行うことができ、かつ常に研究代表者と連絡をとることができる、研究代表者と同じ機関に所属する担当者(以下「事務連絡担当者」という。)を指定して下さい。なお、研究代表者が事務連絡担当者を兼ねることはできません。
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3.経費の不正な使用及び研究活動の不正行為に関する措置
(1)経費の不正な使用に対する措置
不正な使用があったと認められた場合の措置
本事業における研究開発課題において、研究開発課題に関する経費を不正に使用した場合(偽り、その他不正の手段による受給を含む。以下「不正使用等」という。)、不正使用等を行った研究開発の実施者 ※1については、その旨を公表するとともに、以下のとおり、翌年度以降一定期間、本事業への申請及び参画 ※2を認めないこととします。また、当該研究開発の実施者が参画していた本事業で実施している研究開発課題については、その内容に応じ、契約の解除・変更、委託費の返還等の措置を行います。
※1 研究代表者であることに拘らず不正使用等を行った研究開発の実施者(再委託先を含む。)を指します。また、不正使用等の共謀についても対象となります。
※2 「申請及び参画」とは、新規研究開発課題の提案、応募、申請を行うこと、また研究チーム内の研究開発の実施者として新たに研究に参画することを指します。従って、申請及び参画の制限の適用にあたっては、進行中の研究開発課題(継続課題)への参画までは制限しません。
不正使用等の内容 |
申請及び参画が制限される期間 |
単純な事務処理の誤り |
なし |
不正使用(本事業による業務以外の用途への使用がない場合) |
2年 |
不正使用(本事業による業務以外の用途への使用がある場合) |
2〜5年
(具体的期間は、程度に応じて個々に判断される。)
<例>
・本事業による業務に関連する研究等の遂行に使用(2年)
・本事業による業務とは直接関係のない研究等の用途に使用(3年)
・研究等に関連しない用途に使用(4年)
・虚偽の請求に基づく行為により現金を支出(4年)
・個人の利益を得るための私的流用(5年)
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不正な行為による受給 |
5年
<例>
・提案書類における虚偽申告 |
注:当該年度についても、参画が制限されます。
「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく措置
本事業の契約に当たっては、各研究機関では標記ガイドラインに基づく研究費の管理・監査体制の整備、及びその実施状況等についての報告書を提出することが必要です(実施状況報告書の提出がない場合には、研究の実施が認められません。)。
このため、下記ホームページの様式に基づいて、採択されるまでに(平成20年4月下旬予定)、研究機関から文部科学省に報告書が提出されていることが必要です。提出する実施状況報告書の様式、提出先等については、下記ホームページでお知らせいたします。
また、平成21年度以降も継続して事業を実施する場合は、平成20年秋頃に、再度報告書の提出が求められる予定ですので、文部科学省からの周知等に十分ご留意ください。報告書の提出の後、必要に応じて、文部科学省(資金配分機関を含みます)による体制整備等の状況に関する現地調査に協力をいただくことがあります。また、報告内容に関して、平成19年5月31日付け科学技術・学術政策局長通知で示している「必須事項」への対応が不適切・不十分である等の問題が解消されないと判断される場合には、研究費を交付しないことがあります。
上記ガイドライン及び科学技術・学術政策局長通知については文部科学省ホームページをご参照下さい。
・ガイドライン
・局長通知
(2)研究活動の不正行為に対する措置
本事業における実施課題に関する研究活動の不正行為(捏造、改ざん、盗用)への措置については、「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」(平成18年8月8日 科学技術・学術審議会研究活動の不正行為に関する特別委員会)に基づき、以下のとおりとします。
○本事業で不正行為があったと認められた場合の措置
本事業における実施課題に関し不正行為があったと認められた場合、必要に応じて以下の措置を講じることとします。
(i)契約の解除・変更、委託費の返還
不正行為があったと認められた課題について、委託契約の解除・変更を行い、委託費の全部又は一部の返還を求めます。また、次年度以降の契約についても締結しないことがあります。
(ii)参画の制限
以下の者について、翌年度以降一定期間、本事業の課題への参画を制限します。(他の競争的制度等の諸規定により、当該資金への参画が制限される可能性があります。)
措置の対象者 |
参画が制限される期間 (不正が認定された年度の翌年から) |
不正行為があったと認定された研究にかかる論文等の、不正行為に関与したと認定された著者、共著者及び当該不正行為に関与したと認定された者 |
2〜10年 |
不正行為に関与したとまでは認定されないものの、不正行為があったと認定された研究に係る論文等の内容について責任を負う者として認定された著者 |
1〜3年 |
注:当該年度についても、参画が制限されます。
上記ガイドラインについては、以下の文部科学省のホームページをご参照下さい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/houkoku/06082316.htm
(3)他の競争的資金等で参画の制限が行われた研究者の本制度への申請等資格制限
国又は独立行政法人が所管している他の競争的資金制度 ※において、経費の不正使用等または研究活動の不正行為等により制限が行われた研究者については、他の競争的資金制度において応募資格が制限されている期間中、本制度への参画を制限します。
(4)関係法令等に違反した場合の取扱い
関係法令・指針等に違反し、研究計画を実施した場合には、委託費の全部又は一部の返還を求めることがあります。
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4.研究開発課題の審査、研究管理及び研究開発課題の評価
基盤研究開発分野では、PO及び外部有識者から構成される審査委員会での審査結果を踏まえ、PD及びPOが採択課題候補案を取りまとめ、これをもとに採択課題を選定することとしています。また、POが中心となって、研究開発課題の進捗状況を把握し、必要に応じ助言を行う等、適切な研究管理を実施します。
(1)審査方法
審査委員会における審査は、外部からの影響を排除し、応募された研究開発課題に含まれるノウハウ等の情報管理を行う観点から非公開で行います。
具体的には、応募された研究開発課題ごとに、様式不備の有無、対象とする研究開発分野及び事業の要件との適合性を確認するとともに、(3)に示す審査基準に基づいて、審査委員会による書類審査及び研究代表者等に対するヒアリング審査を実施します。
ヒアリング審査は、書類審査によって選定された研究開発課題のみ実施します。また、必要に応じて追加資料の提出を求める場合があります。
(2)選定結果の通知
書類審査結果については、ヒアリング審査対象課題の研究代表者または事務連絡担当者に対して、ヒアリング実施の連絡をします。また、研究代表者に対して採択の可否の通知書の送付を行います。
なお、審査の途中経過等に関する問い合わせは受け付けません。
また、採択にあたっては、審査委員会が研究開発課題の内容、研究開発期間、研究開発に要する経費、実施体制等に関し、条件を付すことがあります。
(3)審査基準
提案された研究開発課題は、以下に示す審査基準に基づき、総合的に審査を行います。
【基盤研究開発分野】
(革新技術創出型研究開発)
必要性、研究開発目標
・ 研究開発課題の必要性が、社会的ニーズを踏まえて示されており、また、研究開発課題の設定が、想定した革新的原子力システムに適合しているか。
・ 研究開発目標が、対象とする技術に関する最近の動向や問題点を正確に把握し、具体的かつ定量的に設定されているか。
革新性
・ 想定した革新的原子力システムの実用化を大幅に加速する技術的ブレークスルーをもたらす革新的な技術であるか。
技術的実現性
・ 研究開発しようとする技術が実現可能であることについて、根拠をもって示されているか。
・ さらに、工学的に実現可能な見通しが得られているか。
研究開発効果
・ 資源の有効利用、環境負荷低減、安全性や経済性の向上、核拡散抵抗性の向上に大きく寄与する効果があるか。
・ さらに、科学技術の発展の観点から、他の技術分野等への波及効果の高い研究開発であるか。
実施計画
・ 研究開発を実施するために必要十分な人材、研究開発体制、施設・設備等が確保されているか。
・ 研究開発目標を着実に達成できるように、研究開発項目が過不足無く設定されているか。
・ 適切な研究開発手法やスケジュールが設定されているか。
・ 研究開発に要する経費が、具体的かつ合理的に策定され、真に必要とするものとなっているか。
(4)研究管理及び研究開発課題の評価
研究管理
全ての研究開発課題について、毎年度、委託業務成果報告書等の提出を求めます。また、進捗状況の確認を行う場合があり、そのため、関連する報告を求めるとともに、研究実施場所において実際の研究状況の確認を行うことがあります。
その結果、進捗状況に応じて、計画の変更等を求めることがあります。
中間評価
研究開発期間が3年を超える研究開発課題については、2年目終了後に中間評価を実施します。
事後評価
全ての研究開発課題は、研究開発期間終了後、事後評価を実施します。
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